カテリーナ古楽合奏団​と古楽器について

素朴で温もりのある古楽器で「喜びの音楽」を

カテリーナ古楽合奏団は、中世・ルネサンス時代に西欧諸国で使用されていた様々な復元楽器を演奏しています。それらの楽器は、時代の変化に伴い徐々に改作され、多くは廃れ消え去ってしまった楽器達なのです。イギリスでは産業革命後の19世紀末ころ、ウイリアム・モリスによる※アーツ&クラフツ運動と相まって※古楽復興運動が始まり、絵画や文献などを基に中世・ルネサンス楽器の復元製作が行われました。近代の楽器「モダン楽器」と比較し「古楽器」又は「ピリオド楽器」と呼ぶようになりました。

 

西洋音楽の晴れ舞台に登場する楽器は東方に起源があり、東方の響きは、時代と共に西洋の音へと変化していきます。東方の音の名残ある中世・ルネサンスの楽器は、精選された白米ではなく、あたかも雑穀米のような灰汁と温もりのある音を放つのです。それは、現代人がどこかに置き忘れた大切な時間を思い出させてくれます。カテリーナ古楽合奏団の音楽はクラシック音楽、民族音楽、あるいは現代のジャズやポップスにも繋がるのです。情報の溢れたこの時代だからこそ、あえて素朴で温もりのある古楽器を使って「喜びの音楽」を届けたいのです。

※アーツ&クラフツ運動

19世紀、産業革命によって人口の都市への集中化が進み、大量生産によってそれまでには考えられなかったほどの商品が供給されると共に、多くの粗悪品が市場に出まわった。そんな中、ウイリアム・モリス(1834-1896)により古き良き時代の熟練職人による質高い工芸品に回帰しようという運動がおこった。

※古楽復興運動

ウイリアム・モリスとも親交のあったアーノルド・ドルメッチ(1858 - 1940)らによる古楽復興のムーブメント。ドルメッチはヴィオール属・リュート・リコーダー・チェンバロなどを復元製作した古楽復活の先駆者。

 

ロバの音楽座と古楽器について

子ども達は身体の内に潜む無意識の記憶に耳をすましている

ロバの音楽座のコンサートは小さな音、即ち弱音を大切にしています。演奏する楽器の大半は、おとぎの国から飛び出したようなヨーロッパ中世・ルネサンス時代の復元楽器です。もちろん強い音のする楽器もありまが、現代楽器に比べると相対的に古楽器は弱音楽器と呼べるでしょう。弱音は昔の楽器のもつステキな特徴の一つであり、この足りない音量をマイナス要因と捉えず、これこそ魅力だと考えています。便利さから生まれた機械的な音に包まれた今の子ども達にこそ届けたい音なのです。この「弱音をどのように伝えるか」が、私たちの音楽づくりの課題であり、弱音の伝え方こそが、ロバの舞台の見どころでもあるのです。

 

コンサートの冒頭で、ひときわ小さな音をメンバー全員が心を澄まし奏でると、自然と子ども達は騒ぐこともせず、その凜とした澄みきった時間を受け止めてくれるのです。静かな鐘の音は、寺院の神聖な儀式を、素朴な単旋律のリコーダーは、牧歌的な草原を、中世の琴プサルテリウムの合奏は、おめでたい祝いごとを思い出すのかもしれません。これは古代と今とが繋がる普遍的な音の時間で、それがどうして心地いいのかわからないままに、一千年前のこども達も今のこども達も同じように身体の内に潜む無意識の記憶に耳をすましているのだと思います。

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